未破裂脳動脈瘤
未破裂脳動脈瘤は“くも膜下出血”の原因です
未破裂脳動脈瘤が発見されて不安を感じている方、手術を受けるかどうか迷わ
れている方。
是非、ご相談下さい。
脳神経外科医として20年以上にわたり脳動脈瘤を専門に研究と診療を行ってきた経験を元に、患者様一人ひとりにとって最も適切な治療方法を詳しく説明致します。
脳血管内治療が必要な場合、7,000件を超える国内トップの手術経験を持つ
院長が執刀することが可能です。
頭部MR検査で未破裂脳動脈瘤はどのくらい発見されるのか?
一般的に頭部 MR 検査での未破裂脳動脈瘤の発見率は約4%とされています。ただし、血のつながったご家族に二人以上脳動脈瘤を持つ方がいる場合、その発見率は約20%と高くなり、特に女性、タバコを吸われる方、高血圧症があるかたは発見率が高いので注意が必要です。
破裂していない脳動脈瘤を未破裂脳動脈瘤と呼びます
頭の中、特に脳の表面にある動脈の一部がコブのように膨れたものを脳動脈瘤と言います。動脈壁の一部が袋(ふくろ)のようになったものを嚢状(のうじょう)動脈瘤、動脈全体が膨らんでしまったものを紡錘状(ぼうすいじょう)動脈瘤と言います。時に嚢状動脈瘤と紡錘状動脈瘤の中間的な脳動脈瘤もあります。
脳動脈瘤には、破裂をして“くも膜下出血”を起こした破裂(はれつ)脳動脈瘤と、まだ破裂していない未破裂(みはれつ)脳動脈瘤があります。ほとんどの未破裂脳動脈瘤は自覚症状がないのですが、稀に物が二重に見えたり、まぶたが下がったり、視野が狭くなって視力が落ちる、片目だけ眩(まぶ)しい、呂律が回りにくい、食べ物が飲み込みにくいなどの症状を出すこともあります。
未破裂脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血になります
脳動脈瘤が破裂すると“くも膜下出血”を起こします。くも膜下出血は、今まで経験したことが無いような激しい頭痛(ハンマーで殴られたみたい、カミナリが落ちたみたいなど)を自覚し、重症の場合は吐き気も伴い意識障害になってしまいます。くも膜下出血になると、約40%の方が命を落としてしまい、約30%の方は寝たきりになったりして社会復帰ができなくなります。残り約30%の方が社会復帰できる程度まで回復します。
未破裂脳動脈瘤が発見されたらどうすればよい?
まずはくも膜下出血を起こさないようにすることが大切です。破裂を確実に予防するには手術治療が必要ですが、未破裂脳動脈瘤は必ずしも破裂する訳でなく、特に小さいものは破裂するリスクが低いとされています。従って、“手術を受けるリスク”と“手術を受けないリスク” を慎重に比較することが何よりも大切です 。
脳動脈瘤の手術治療について
脳動脈瘤の代表的な手術方法は、開頭クリッピング術、脳血管内治療(カテーテル手術)があります。
脳卒中
脳卒中とは?
脳卒中(そっちゅう)というのは脳の血管の病気によって突然倒れるような状態を言います。
これには、血管がつまる脳梗塞と血管が破れる脳出血とがあります。
ある日突然ろれつが回らなくなる、手足に力が入らない、しびれるなどの症状が出たり、耐えがたい頭痛と嘔吐が出たら、それは脳卒中の可能性が高いので救急車を要請していい状態です。
当クリニックではそのようにならない管理を目指していきます。
脳血管障害とは?
脳卒中も含まれますが、脳卒中のような突然の出来事は起こさないものの、脳血管が細いといった予備軍のような状態や、
過去に脳卒中を起こされたような場合、たまたま見つかった脳血管の病気などを総称して脳血管障害と呼びます。
脳梗塞のほとんどは血管の老化(動脈硬化)が原因で生じます。
年齢、高血圧、喫煙、悪玉コレステロールの高い脂質異常症や糖尿病などで発生率が高くなります。
脳の細い血管がつまるラクナ梗塞(比較的回復が良好)や太い血管がつまるアテローム血栓性脳梗塞(大きな後遺症が残る場合が多い)のほかに、頭に入る手前の頚動脈に狭いところがありここに生じたプラークと呼ばれるドロドロした固まりが剥がれ落ちて脳の血管をつめてしまうタイプや心臓の不整脈によってできた血栓が脳の血管に流れ着いて血管をつめてしまう心原性脳塞栓症などさまざまです。
一度脳梗塞を起こすと再発率が高くなりますので血液サラサラの薬(抗血小板薬)の内服を開始しますが、不整脈が原因の場合には血栓の性質が異なるため、抗凝固薬というものを使います。昔から用いられているワルファリンという薬が代表的ですが、納豆や菜っ葉類を食べてはいけない、などの食事制限や頻回な採血が必要などの難点がありました。
最近は新たな薬が開発され食事の制限がなくなりました。
頚動脈が狭い場合には脳梗塞の予防目的に血管を広げる手術が必要な場合があります。
以上述べてきたような従来の脳梗塞とは別に、MRIによってはっきりとしてきた脳小血管病という病態があります。
加齢や高血圧、糖尿病が重要とされており文字通り脳の小さな血管の病変です。
認知機能障害とも関連していると言われており現在注目されている領域です。
高血圧によって脳の細い血管に繰り返しダメージが加わり破れてしまうことで生じることがほとんどですが、中には高血圧とは無関係に脳動静脈奇形やモヤモヤ病のような脳の血管の病気によって出血をする場合があります。
原因はどうあれ、頭痛や意識障害、手足の麻痺、言葉が出ないなどの症状が突然出るのが特徴です。
救急車の要請が必要な状態です。
一定の大きさ以上の脳出血や意識の状態が悪い場合には手術が必要になります。
近年はこのような脳出血とは別に、無症状の小さな出血をきたしている場合があることも分かっており脳微小出血と呼ばれ認知機能障害と関係していることが知られています。
脳梗塞の項で述べた脳小血管病の一つの形です。
これはMRIによって見つけることができます。
脳の動脈の主に分岐部に瘤(こぶ=脳動脈瘤)が生じ破裂して生じます。
脳全体へ出血が広がり脳の圧力が急激に上昇し激しい頭痛と嘔吐をきたします。
出血の量が多ければ意識もなくなります。
以前から日本では、くも膜下出血が多いこともあり多施設が協力しあってきちんとしたデータを集めようという気運がありました。
これが実現化され破裂していない人の脳動脈瘤を経過観察することで世界に発信できるデータが収集され、2012年に発表されました。
今では破裂しやすい動脈瘤の部位や大きさなどが明確となってきました。
脳内の太い動脈が細くなったりつまると、不足した血液を補うために周りに細い血管が発達することがあります。
この細い血管が煙のように「モヤモヤ」と見えることからモヤモヤ病と呼ばれるようになりました。
未だ原因ははっきりとは分かっていませんが、欧米人に比べてアジア人に多く見られる病気で、脳梗塞や脳出血を引き起こすことがあります。
当クリニックでできること
これまで述べてきたように脳卒中は救急の病気です。
当クリニックでは生活習慣病をお持ちで脳卒中になるリスクが高い方の発症予防(一次予防)もしくは、残念ながら脳卒中をきたしてしまった方の再発予防(二次予防)や後遺症のフォローを行なっていきます。
くも膜下出血を引き起こす原因となる脳動脈瘤が見つかった場合にも、すぐに手術などの処置が必要となるわけではありません。
くも膜下出血の項で述べたように日本の優れたデータをもとに、一人一人に適したフォローを行なってまいります。
脳血管障害全体として、外科的治療が必要と考えられる方にはそれぞれのエキスパートの先生をご紹介致します。
頭痛
「頭痛には、頭痛を起こす原因となる他の疾患がない「一次性頭痛」と、他の疾患が原因である「二次性頭痛」があります。一次性頭痛には、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛などがあり、二次性頭痛には、くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍・髄膜炎などが含まれます。
以下のような症状がある場合、お気軽にご相談ください
•頭がズキンズキンと痛い
•頭が締め付けられるように痛い
•目の奥が痛い
•頭が割れるように痛い
•頭痛と同時に言葉が詰まる
•頭痛と同時に吐き気やめまいがある
特に二次性頭痛が疑われる場合は、次の症状に注意してください
•突然、頭が割れるような頭痛
•今まで経験したことのない頭痛
•いつもと様子の異なる頭痛
•頻度と痛みの程度が増していく頭痛
•50歳以降に初めて起こった頭痛
•神経症状(しびれや麻痺、けいれんなど)を伴う頭痛
•がんや免疫不全などの病気がある方の頭痛
•発熱や首のこわばり、吐き気・嘔吐などを伴う頭痛
代表的な一次性頭痛には以下があります
片頭痛
「ズキンズキン」と脈打つような痛みが起こり、吐き気を伴うことも少なくありません。頭痛が起きる前には目がチカチカしたりすることもあります。若い女性に多くみられます。症状が起こったら、なるべく暗くて静かな場所で安静にすると良いでしょう。
緊張型頭痛
頭を締め付けられるような痛みが長時間続きます。肩や首の筋肉が固くなり、その周辺の血行が悪くなり、神経が刺激されることで痛みが生じます。痛みは後頭部から首筋を中心に頭全体に広がります。精神的・身体的ストレスが誘因になります。入浴、運動、マッサージなどが効果的です。
群発頭痛
1~2ヶ月の間、毎日起きる頭痛です。目の奥に激しい痛みが起こります。痛みが我慢できず転げ回ったりする人も少なくありません。働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。飲酒は引き金になりますので控えましょう。
代表的な二次性頭痛には以下があります
くも膜下出血
脳動脈瘤が破裂して脳の表面に出血が起きた状態です。今まで経験したことがないような突然の激しい頭痛を自覚したら、急いで受診してください。
脳出血
脳の中に出血をした状態です。必ずしも頭痛は伴いませんが、出血した場所や程度によって意識障害、手足のしびれ、物が二重に見える、吐き気・嘔吐などの神経症状が現れます。
髄膜炎
脳・脊髄を保護するための髄膜に感染と炎症を起こした状態です。頭痛とともに高熱、吐き気も起こります。
当院では詳しく診察を行い、必要な場合、放射線被曝の心配がない最新鋭の3.0テスラMRI装置を使って原因を精査した上で適切な治療を行います。多くの頭痛は一次性頭痛ですが、二次性頭痛には命にかかわる場合もありますので注意が必要です。病状が緊急性を要する場合、救急医療機関と迅速に連携をとり適切に対応いたします。
手足のしびれ
しびれには、手や足に力が入りにくくなる運動麻痺と長く正座した後のようにジンジンする感覚異常の場合とがあります。運動麻痺と感覚異常が同時に起こる場合もあります。
脳疾患に原因がある「しびれ」
脳出血・脳梗塞などの脳血管障害が主な原因です。多くの場合、大脳や小脳と左右が反対側の手足や顔などにしびれが起こります。
また、視床と呼ばれる部位に障害が起こると、「しびれ」だけではなく強い痛みがともなう場合があります。短時間で良くなる繰り返す手足のしびれは、脳梗塞の前触れである「一過性脳虚血発作」の場合があり注意が必要です。脳腫瘍の場合、病気が進行するとしびれや感覚麻痺が強くなります。
脊椎・脊髄疾患に原因がある「しびれ」
変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症、胸郭出口症候群、手根管症候群など
内科的疾患に原因がある「しびれ」
糖尿病による末梢神経障害やビタミン欠乏症による末梢神経障害なども「しびれ」の原因になります。
「しびれ」の原因は脳や脊椎、末梢神経、内科的疾患など色々ありますが、特に血管障害や脳腫瘍は、命に関わる可能性や重大な後遺症が生じる場合もあります。
当院ではしびれの原因を放射線被曝の心配がない最新鋭の3.0テスラMRI装置を使って検査を行い、原因を精査した上で適切な治療を行います。
めまい
「めまい」で外来を受診される患者様のうち、その多くは内耳の障害による良性発作性頭位めまいや前庭神経炎、ストレスやウイルス感染によるメニエール病や突発性難聴が多いとされています。
脳が原因となる「めまい」は比較的まれですが、脳血管障害(椎骨脳底動脈循環不全、脳出血、脳梗塞)や脳腫瘍などの深刻な病態に関連している場合もあり適切な診断と治療が必要です。
「めまい」にお悩みの方、特に以下のような症状がある場合には医療機関の受診をお勧めします
•天井が回るような感覚
•体が浮遊しているような感覚
•頭を急に動かした時にめまいがする
•気が遠くなりそうな感覚
「めまい」の原因となる脳疾患には、脳血管障害や脳腫瘍が含まれます。脳の血流不足により小脳や脳幹の機能に影響を及ぼし、「めまい」以外にも舌のもつれ、物が二重に見える、手足のしびれなどの症状を引き起こす場合や脳出血の可能性も考慮されます。
脳腫瘍では「めまい」以外にも慢性的な頭痛、吐き気、嘔吐、視力低下などが起きることもあります。
脳血管障害や脳腫瘍は、命に関わる可能性や重大な後遺症が生じる場合もありますので、なるべく速やかに診療機関を受診して下さい。
当院では 最新鋭の3.0テスラMRI装置を導入し、放射線被曝の心配なく、非常に精度の高い検査を快適に受けていただける環境を整え正確な診断を行います。
生活習慣病
高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などの生活習慣病は運動不足、肥満、過食、大量の飲酒などが原因となる慢性疾患です。生活習慣病の多くは、病状がかなり進行するまで自覚症状がありません。
そのため、気づかないうちに動脈硬化などが進行し、気づいた時には狭心症や心筋梗塞など重症疾患を引き起こしていたということも少なくありません。
また、複数の生活習慣病を患うようになると、それらの疾患が積み重なって心臓病や脳卒中を引き起こす危険性がさらに高まります。
血圧が慢性的に高くなってしまう疾患です。
心臓から送り出された血液が血管壁に与える圧力が高くなると、血管に過度の負担がかかり、様々な問題が増えていきます。健康な人の場合、最大血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧)は140㎜Hg未満、最小血圧(心臓が拡張したときの血圧)は90㎜Hg未満。
これよりも高い状態が続いている方は注意が必要なのです。
高血圧症は脳卒中だけでなく、脳以外にも多くの臓器・部位に悪影響を及ぼし、合併症を引き起こします。
脳卒中やさまざまな合併症を未然に防ぐには、高血圧症を治療することが重要です。
高血圧症は脳卒中だけでなく、脳以外にも多くの臓器・部位に悪影響を及ぼし、合併症を引き起こします。
脳卒中やさまざまな合併症を未然に防ぐには、高血圧症を治療することが重要です。
血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)の値が慢性的に高い状態、
もしくはHDL(善玉)コレステロールの値が低い状態を脂質異常症と呼んでいます。
健康な人の場合、LDLコレステロール値が140mg/dl未満、HDLコレステロール値が40mg/dl以上、中性脂肪が150mg/dl未満です。
脂質異常症は放置しておくと動脈硬化が進行し、脳梗塞を引き起こす原因となります。
脂質異常症の治療は食事療法、運動療法など生活習慣の改善が基本となります。
生活習慣の改善で脂質管理が不十分な場合や病態によって内服薬による薬物療法を考慮します。
糖尿病はインスリン(血糖を下げる働きのあるホルモン)が十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、失明する危険の高い「糖尿病網膜症」や尿毒症や腎不全を併発しやすい「糖尿病性腎症」、痛みや壊疽の原因となりうる「糖尿病性神経障害」などの合併症だけでなく脳梗塞を引き起こす原因にもなります。
糖尿病は血糖値を良い値に保つ(血糖値のコントロール)ことが治療の基本です。
食事療法、運動療法など生活習慣の改善をし、血糖値を見ながら必要に応じて内服薬による薬物療法を考慮しますが、内服薬で十分な血糖コントロールが得られない場合はインスリンを補う注射が必要となる場合もあります。